イベント当日の12月22日は、冬至でした。北半球では、一年のうちで、昼間の長さが一番短くなる日です。昔の人は、「昼間が短くなる=太陽の力が弱くなる=死に近づく季節」と考え、恐れていたということです。そこで、この季節には昔から、ビタミンを含み、栄養価の高いかぼちゃを食べて無病息災を願い、香りが邪気を払うと考えられてきた柚子のお風呂に入るなどして、冬至の夜を過ごしてきたそうです。

一方で、この日を境に昼間の長さがだんだんと長くなっていく、一年の節目、始まりの日とも考えられてきました。そうしたことから、冬至の別の呼び方に「一陽来復」(いちようらいふく)というものがあります。「陰が極まり再び陽が戻る日」という意味だそうです。

さて今回は、ご家庭でも冬至の伝統食材を味わい、季節の楽しみに加えてもらおうと、冬至スイーツづくり(ティラミス)ワークショップを開催しました。夜にはご家庭で、そとあそびで冷えた身体を、柚子が浮かんだあたたかい湯に浸けて冬至を楽しんでいただけたでしょうか。

今回は、屋内での活動のみとなりました。その代り子供たちは、管理栄養士の先生に習いながらパティシエになりきって頑張りました。大きなボウルでクリームチーズを混ぜるお仕事では、力強さが求められ、盛り付ける段階では、繊細さが求められる本格的なパティシエ体験でした。スイーツのデザインも子供たちのオリジナリティが溢れるたくさんの冬至スイーツが出来上がりました。

(大人の方へのポイント)
ご家庭でもぜひ、一年の循環の中で毎年訪れるイベントを手作りで楽しんでみてください。洋の東西を問わず、1年の循環の中には季節を楽しむことが出来る行事がたくさんあります。そのいくつかをお子様と一緒に手作りできれば、季節の循環を意識づけることが出来ますし、親子で何かをつくる体験は、子供たちに愛情を感じさせ、絆を気づくことにつながります。国立青少年教育振興機構の調査では、幼少期に大人の愛情や絆を感じることが多かった大人ほど、社会で求められる資質・能力(意欲、コミュニケーション能力、へこたれない力、自己肯定感)が高い傾向がある※1ことが分かっています。キッチンが汚れてしまうかもしれませんが、そこは目をつぶって子どもの心躍る体験の舞台を作ってあげましょう。

※1国立青少年教育振興機構「多様で変化の激しい現代社会に求められる『社会を生き抜く』子供のころの体験から育まれる」