みなさんは”ヤマモモ”という樹木を聞いたことがありますか?5メートルから大きなものだと25メートルにもなる高木です。肌の色は灰色をしており、5センチ~10センチ楕円形の葉をたくさんつけてこんもりとしている常緑の樹木です。このヤマモモは公園樹や街路樹に植えられることが多く、私達のすぐ近くに生えている身近な樹木の一つなのです。それでこのヤマモモの樹は、梅雨入り前後に直径2センチ~3センチ程度の真っ赤な実をつけます。これがヤマモモの最大の恵みなのです。冷やして生食も可能ですが、シロップが絶品なので紹介します。準備するものは、新鮮なヤマモモの実、砂糖(氷砂糖でも可)、容器だけです。

作り方はとっても簡単。まずは、綺麗なヤマモモの実を拾ってきます。なるべく新鮮なものが良いです。事前に子供と一緒に公園や街路樹等でヤマモモを探しておきましょう。見つけたら定期的に観察して、実の結実具合を気にしながら過ごします。初めは小さな緑色の玉だったのがだんだんと大きく、赤く熟してきます。そうなったら、いよいよ収穫間近です。(ちなみに、収穫してよいかどうかは管理者に事前に確認しておきましょう。このヤマモモの実、地面に落ちると踏まれたりして汚く見えたり、小バエが卵を産み付けたりなどが心配されることが多い樹です。ですので、了解はもらえる可能性が高いと思います。)我が家では今年、ファミリーレストランの駐車場の一角にヤマモモが植えられている、しかもたわわに実をつけていることを発見し、お店の方の了解を得て拾い集めました。(オリセンにもヤマモモの樹があるのですが、ここ数年結実しても落ちてしまい、赤くならないのです。さみしい。)

帰宅後、流水でヤマモモの実をよく洗い、丸1日中水に浸けておきました。こうすることで、汚れがおちるとともに、万一虫が入っていたとしても出てきますので、綺麗になります。この間にヤマモモを漬け込む容器(ガラス瓶など)をよく洗い、アルコールスプレーなどで消毒しておきます。蓋も忘れずに。これを怠るとかびだらけに・・・。本当は煮沸消毒が良いですが、子供がやるには少し危険なので我が家ではいつもアルコールスプレーで行います。

続いて、手をよく洗って、丸一日水に浸したヤマモモの実を一つ一つペーパータオルなどで丁寧に水気をとり、ヤマモモ→砂糖→ヤマモモ・・・とミルフィーユのように容器に詰めていきます。最後は砂糖で蓋をする感じに仕上げましょう。この後毎日、容器をゆすったりしながら攪拌して、ヤマモモの実からエキスが出切るのをひたすら待ちます。

約2週間程度でヤマモモの色味とエキスが抽出されて出来上がりです。容器からヤマモモの実を取り出して冷蔵庫で保管します。召し上がる際は、お好みの濃さに薄めていただきましょう。少しお酢を加えると酸味のきいたヤマモモサワーに、炭酸水で割るとシュワーっと爽やかなヤマモモソーダになりますよ。

一度、シロップづくりを体験すると、街中のヤマモモの樹が目に留まり、ほかの樹々の季節の表情も気になるようになり、ご家庭の興味が広がり季節の楽しみになると思います。ぜひチャレンジしてみてください。