足下の自然から楽しもう④ 乾燥ヨモギでこねこねせっけんづくり
前回は、近所でのヨモギの見つけ方と下ごしらえの方法をお伝えしました。今回は前回つくった乾燥ヨモギを使った楽しい体験を紹介します。(前回の記事「いつもの道でヨモギ摘み」はこちら)
ヨモギにはたくさんの効能があり、「和製ハーブ」とか「野草の女王」などと呼ばれています。和菓子やパン、化粧品や石鹸など「よもぎ○○」といった商品もよく目にします。例えば和菓子、春の草餅とはヨモギ餅のことで、爽やかな緑の香りとあんこの絶妙な相性がたまりません。桃の節句のころの桜餅、春の草餅、端午の節句の柏餅へと季節と自然を取り入れた和菓子がリレーのバトンとなってつながっていくのが面白いですね。
さて、今日は草餅の作り方を紹介、するのではなく、子供と一緒に安全ですぐにできる、「ヨモギの手ごね石鹸」を紹介します。自分で摘んだヨモギを使ってつくった手作り石鹸が、子どもの手洗いを楽しい時間に変えてくれるかもしれません。
石鹸づくりの方法にはいくつかありますが、今回紹介するのは、粘土細工のように作ることができるとっても簡単な方法です。幼児でもできますのでご家族一緒に楽しんでください。
準備するもの
①材料(せっけん2個分)
石鹸素地100g、乾燥ヨモギ2g、熱湯40ml、オイル又はハチミツ小さじ1、
※石鹸素地:アロマ店や通販で購入できますが、お時間がある場合は手作りできます。市販の無香料無着色の固形の石鹸をおろし金で粉状にすればOKです。石鹸購入の際は、成分を見て、「石鹸素地」「水」とだけ記載されているものを購入することをお勧めします(香料等によりヨモギ本来の香りを損なわないようにするため)。
※オイルは今回ホホバオイル(保湿効果、泡立ち効果を期待)を使用しましたが、ご家庭のオリーブオイルでも代用可能です。
②道具
マグカップ、チャック付きビニール袋(ただのビニール袋を2重にして使用して可)、クッキー型(なくても可)
つくり方
1.乾燥ヨモギを細かくしよう
先日摘んだヨモギは、太陽の光を浴びてパリパリの乾燥ヨモギに変わっていると思います。まずはこれを細かくすることから始めます。お家にミキサーがあればミキサーで、なければハサミでチョキチョキすれば大丈夫です。ハサミの場合はある程度細かく切れたら、テーブルの上等に置き、その上からハサミで切れば自分の手を切る心配はありません。
2.石鹸素地と細かくした乾燥ヨモギを混ぜる
準備した石鹸素地をチャック付きのビニール袋に入れ、その中へ細かくした乾燥ヨモギを入れます。石鹸素地と乾燥ヨモギが均等に混ざり合うようにビニール袋をたくさん振りましょう。白い粉チーズの様に見えるのが石鹸素地です。混ざり合ったものは袋から出さずそのままにしておきましょう。4.の工程で使用します。
3.濃~いヨモギ茶をつくる
ヨモギの香りと有効成分を抽出するため、濃~いヨモギ茶をつくります。一つまみの乾燥ヨモギをマグカップに入れ、熱湯40mlを注ぎ、10分程度待ったら出来上がりです。
4.こねこねする
2.でつくった石鹸素地と乾燥ヨモギの混ざったものに3.で作った濃~いヨモギ茶を少し加えてこねます。お茶を少し加えてはこね、加えてはこねを繰り返し、耳たぶくらいの柔らかさになったら次の工程に進みます。
5.オイルを加えて再びこねこねする
ここで4.にオイル又はハチミツを入れます。今回はホホバオイルを小さじ1ほど入れ、全体になじむように再びこねます。これは、保湿や泡立ちの効果を期待するため入れています。
6.好きな形にまとめよう
好きな形にまとめて出来上がりです。ハーブおじさんは、どろだんごを作る様にまん丸に丸めてからペタンとつぶして丸い石鹸にし、最後に余った乾燥ヨモギを貼り付けて飾りにしてみました。クッキー型などでかわいい形に整えてもいいですね。このまま日陰で4日~5日乾燥させれば石鹸として使えるようになります。出来上がりの見た目がとっても美味しそうですが、決して口に入れないように気をつけましょう。見た目は草餅でも正真正銘の石鹸ですから。
いかがでしたか?とっても簡単・安全に楽しめるでしょう。
自分で摘んだヨモギを乾燥し、それを材料に手作りのヨモギせっけんをつくる。春の芽吹きの季節の家族行事にしてみませんか。