足下の自然から楽しもう③ いつもの道でヨモギ摘み

 春、爽やかな緑の新芽を目にすることができる野草の代表、ヨモギ。樹々の新緑とともに道端の植え込みや公園、校庭の隅や土手など、あなたのすぐ隣に顔を出しています。ヨモギは昔から、ヒトの暮らしとともにありました。食べても、飲んでも、また薬やお灸としても活用されてきたのです。
 そこで今日は、いつもの道でヨモギ摘みが楽しめるよう、①ヨモギの見分け方と摘み方、②ヨモギの下ごしらえ、の二つを紹介します。
ヨモギもちとパン

《ヨモギの見分け方》

 ヨモギの葉はこんな形をしています。背の高さはまちまちですが、遠くから見ると、一か所にまとまって生えていますので見つけやすいと思います。
ヨモギの葉
 第一の特徴は、葉の裏が白いことです。裏側には産毛が生えていて、それが白く見えています。第二の特徴は、摘んだ時に緑の香が広がること。爽やかなヨモギの香を楽しめることです。ポイントはこの二つですので、親子で探してみましょう。

《ヨモギの摘み方》

 摘み方は難しくはありません。ヨモギの上のほうにあるこの春に伸びた新しい葉を摘むということだけです。効用を期待する場合は下の方の葉でも大丈夫です。
ヨモギの群生と新芽
 ただし、気を付けることが二つあります。一つは、畑や田んぼの近くで摘む場合、最近農薬をまく作業が行われていなかったか、もし撒かれているようでしたら、念のため少し日にちをあけるか別の場所で摘みましょう。また、その場所が犬のお散歩道だった場合は出来る限り上のほうのヨモギの葉を摘むようにしましょう。
 二つ目は、危険な植物、猛毒のトリカブトと間違えないことです。トリカブトの葉が若干ヨモギに似ているので要注意です。街中のヨモギがトリカブトと一緒に生えていることはあまり考えられませんので、「葉の裏が白くて産毛があるのがヨモギ!」としっかり覚えておきましょう。トリカブトは表面に光沢があり、裏面に産毛はありません。万が一トリカブトかも?と思った植物が生えていたら、絶対に触ってはいけません!!

《ヨモギの下ごしらえ》

①摘んできたヨモギは、良く水洗いします。小さな虫やごみが無くなるまで何度も洗いましょう。
②葉と茎に分けます。使用するのは葉のみです。
③分けた葉を湯通しします。湯通しとはいっても、葉をザルに入れて熱湯をかけまわす程度で大丈夫です。その後、良く水切りをします。この作業はヨモギの緑色を保つための色止め作業です。
④布巾やペーパータオルなどに葉を広げて置いていきます。重ならないように置いていきましょう。少し集中力と根気がいる作業ですが、みんなでやれば楽しい遊びになるでしょう。
ヨモギを洗って干す
⑤1日干します。天気が良ければ外で天日干しがお勧めです。1日でパリパリになります。そんなに待てないという人は、電子レンジに1分半程度かけて確認し、まだであれば30秒追加して確認。と繰り返して行う方法もあります。
⑥干しあがったらヨモギの下ごしらえは完了です。一つまみを湯呑に入れてお湯を注いでヨモギ茶を楽しむのもいいですね。干しあがったヨモギ

次回は、今回作った乾燥ヨモギを使った遊びを紹介します。お楽しみに。

※ヨモギ摘み後に食す場合は、自己責任でお気をつけて楽しんでください。ヨモギアレルギーの方、キクアレルギー(ヨモギはキク科の植物です)の方等、心配な場合は専門家に相談しましょう。
※今は外出自粛期間中です。コロナウイルス感染拡大阻止のために自宅に留まりましょう。お買い物帰りの道端にヨモギを見つけたら、ぜひ皆さんのご自宅でも楽しんでみてください。