季節行事に体験活動のススメ(十五夜編)
もうすぐ十五夜、美しい月を愛でる日がやってきます。今年は9月10日(土)です。皆さんのご家庭では毎年どんな十五夜をお過ごしですか? 今年の十五夜は土曜日なので、少しだけ手間を加えたお月見を体験するチャンスかもしれません。そこで今回は、十五夜を楽しむ2つの新しい体験を紹介します。
その一、クズの葉にどんぐりを飾る
お月様へのお供えはお団子だけではありません。秋に収穫される丸いもの、例えばさつま芋や里芋、豆や栗、銀杏やドングリなどを大きなクズの葉に乗せてお供えしていたそうです。お団子を飾るのは難しくても近所でドングリを拾ってクズの葉の上に乗せて窓辺に飾ることはできそうですし、なんだかワクワクしますね。
その二、秋の七草を飾る
「春の七草」は有名ですが「秋の七草」も存在します。春は食べて楽しむのに対して秋は見て楽しみます。お月見飾りに秋の七草を加える一味違ったお月見になりそうですね。ちなみに、奈良時代の歌人山上憶良(やまのうえのおくら)の歌にその起源を観ることができます。
秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花萩(はぎ)の花 尾花(おばな)(ススキ) 葛(くず)花(ばな)(クズ) 撫子(なでしこ)の花 女郎花(おみなえし) また藤(ふじ)袴(ばかま) 朝貌(あさかお)の花
山上憶良,万葉集
実は、オリセン内には、ドングリの他、秋の七草うち、ハギ、クズ、ススキが自生しています。オリセンに遊びにいらして探してみてはいかがでしょうか。(活動は「そとチャレラリー」のスタンプ対象になります。)
私たち国立青少年教育振興機構が行った調査によると、日本の昔ながらの遊びや文化に通じる体験をしている小学生の割合は低い1)のですが、家族で季節行事等を多く体験した子どもほど、大人になってからの社会を生き抜く資質や能力が高い傾向にある2)ことがわかっています。筆者も、家族で身近な自然と繋がる季節行事を毎年体験することは、家族の絆、豊かな心や創造性を育むことにつながるのではないかと感覚的に実感しています。日常の中にある季節行事にほんの少しだけ、体験エッセンスを取り込んで楽しんでみませんか。
1)「子供の四季を通したふだんの生活に関する調査」,2018年
2)「子供の頃の体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究」,2017年
「そとチャレラリー」
「きせつ×おんがく×そとあそび」プロジェクト(親子で手作り、お月見団子とお月見飾りワークショップ)