浮世絵から見える親子の向きあいかた?
「この場面映えるわ~、カシャッ!」
子供との体験イベントでのひとこま、私にも経験あります。子供の一生懸命な姿や珍しい体験機会を記録したい。という想いからつい撮影に夢中ということもしばしばです。
さて、今日の打ち合わせでお会いした先生から「共視」という言葉を聞きました。この言葉を踏まえて親子体験イベント中の撮影について考えてみます。
「あの~素晴らしい愛をもう一度~♪」
の北山修さん(精神科医、ミュージシャン)が著書「共視論」で述べている日本人の心の通じあいかたを「共視」として提唱しています。お互いに向き合うのではなく、同じ方向を向いて同じものを視るのだそう。
この論では、浮世絵には親と子がひとつのものを共に眺める構図が繰り返し繰り返し出てくるところから思索を行っています。
その構図からは、親の目線の先を子が追い、その対象物を通じて同じ体験をし言葉や物事を覚えていく。そうした経緯を表しているように感じられるというのです。
なるほど、親子が同じ空間で同じ体験をする。教える-習うではなくて、同じものを視て感じる親子の共体験でもあるのですね。
さて、冒頭の
「映えるわ~、カシャッ!」
は共視の観点ではどうなのでしょう。
チェック①同じ対象物を見ているか?
→いない
チェック②同じ方向を向いているか?
→いない
チェック③同じモノを感じているか?
→いない
親は子供の視線の先の対象物を見ていないかもしれません。親は子供に向いているから同じ方向を見ていないかもしれません。子供が体験を楽しんでいるのに対し親はその体験を楽しんでいないから共感出来ていないかもしれません。
こう考えるとせっかく楽しい体験の場でも「一緒にやる感」は生まれないのかもしれないですね。子供たちも親との「一緒にやる感」を感じることができれば体験の楽しみも二倍になり想いで深くなっていくでしょう。
適度な写真撮影は必要でしょう。後から家族で眺めてお話をしたり誉めてあげたりすると自己肯定観が高まることも報告されています。
でも「いま、ここ」にしかないものを親子で共有することは大事です。より深い学びと感動を得られるからです。
これからの体験イベントでは、適度な写真撮影を心がけ、「いま、ここ」を大事に「共視」で共感していきたいと思います。