夏休みの作文で一生使える力を手に入れる(夏休み自由研究オススメ⑥)

  子「お父さん、作文終わらないよ!」
  親「えっ?!(もうすぐ夏休み終わりなのに)思ったことを自由に書いたらいいよ。」
  子「自由になんて書けない!」
  親「何でもいいからとにかく書けばいいんじやない?」
  子「何にも思いつかない!」
  親子「どうしよう?!」
 もしかしたら、こんな夏休み終盤の会話風景が考えられるご家庭もあるかもしれません。そこで今日はこの難局を親子で乗りきるアイデアを紹介します。

 

【作文力は一生モノの宝物】
 そもそも何故、夏休みに作文(読書感想文含む)の宿題なのでしょう。それは夏休みには作文に向かう時間とネタがたくさんあるからで、学校では十分な時間を確保して取組めないけど大切な課題だからだと思います。では、作文が出来ると何がよいのでしょう。それは、読解力と理解力が身に付くことでしょう。この二つの力は一生役立つ力で、この先お勉強を進めるにあたっても学習の理解度と応用に向かう力に雲泥の差が表れると思いますし、社会に出てからも企画書作成や発信に力を発揮します。
ところが、「平成31年度(令和元年度)全国学力学習状況調査報告書/小学校国語」の結果によると、学習指導要領の区分に対応した問題の平均正答率を見ると「話すこと・聞くこと」(72.4%)「書くこと」(54.6%)「読むこと」(81.8%)※1となり、書く能力に対する平均正答率が他の区分と比較して著しく低いことがわかりました。
 こんなに大事な作文の力ですので、できればお子様が作文アレルギーを持たない小さいうちにしっかりと身に着けられたらいいですよね。次のセクションでは我が家が親子で行う作文づくりを紹介します。

【一緒に簡単!親子ダイアローグ式作文術】
 「はい、書いてごらん」といってスラスラ書き出すお子様はなかなかいません。そこで、親子一緒に書き上げる方法として考えたのが、「一緒に簡単!親子ダイアローグ式作文術」です。
方法はいたって簡単!親子でお話ししながらメモしていくだけです。
(準備物)
 小さいメモ用紙(一枚づつ剥がせるものが良)、ペン、会話内容の写真
(方法)
 子供に質問して子供が答える一問一答で会話を進めます。回答は簡単にメモさせます。
 ①質問&回答で会話を進めます。(投げかける質問は基本的に答えを求めないオープンクエスチョンであることがポイントです。)
 例)例えば、花火大会を作文(日記的)にまとめるとしたらこんな感じです。
  親「先週末の花火大会どうだった?」
  子「とっても楽しかったよ」
  親「どんなところが楽しかった?」
  子「大きな花火の真下で見ることが出来たこと」
  親「そう!真下で見られたのね。そのときどんな気持ちだったの?」
  子「花火が降ってくるみたいですごかった!音もドーンドーンってものすごく大きくて、おなかに響いたよ。煙の臭いもたくさんしていて、少しく怖くてお父さんにくっついていたよ。」
・・・
   ※会話の途中にスマホで撮った写真を見せたりすると会話がはずみます。
 ②質問と回答を繰り返し、具体的で十分なネタが出揃ったところで、メモ帳を切り取って並べてみます。
 ③すべて並べたところで、本人のまとめの気持ち(全体を通した感想や来年の希望等)を聞き出し、まとめの部分にあてはめます。
 ④作文になるように前後関係を考えながらメモ片を並べ替えてお話に仕立てます。
 ⑤メモ片同士をつなぐ言葉を加え原稿用紙等に書くと立派な作文の出来上がりです。

 慣れてくるとメモはいらなくなり、「じゃあ今のことを書いてみよう」というだけで作文スイッチが入るようになります。体験したことをきちんと言葉でアウトプットすることで体験の意味は深まります。この夏からは体験と作文を楽しむ仕掛けを用意してあげてはいかがでしょうか。作文力は一生使える力になりますよ。

※1文部科学省 国立教育政策研究所,令和元年,「平成31年度(令和元年度)全国学力学習状況調査報告書/小学校国語」,p.10