あなたのまちのお祭りが子供の自己肯定観を育む
「ぼくもこれやりたいなぁ~」
チャンチャンシャカシャカ、カンカンシャカシャカ…、軽快な摺鉦リズムのお囃子を子供たちが山車の上から囃し、二歳半の我が子もそれを見上げてお囃子のリズムに乗せてからだ全体を動かしてつぶやきます。本日8月17日まで静岡県三島市にある三嶋大社大祭り※1での一コマでした。
さて、夏から秋にかけて、地域の伝統文化に根差したお祭りが様々に催されることと思います。そうした自分の町で行われるお祭りに参加することは、子供たちの成長にとってとても重要なことだと思います。それは、子どもたちが暮らす地域に対する愛着や誇りを育むとともに、大人をはじめとした異年齢との関わりをつくる機会でもあるからです。そこで今日は、自分の町のお祭りと子供たちについてまとめてみます。
【お祭りが子どもの自己肯定観を育む】
祭りは地域コミュニティとそこに暮らす子供たちの成長を支えるための大きな力を持っています。一つは、脈々と受け継がれてきた伝統文化や芸能を次世代に引き継いでいく中での子供たちの帰属意識が高まることです。もう一つは、祭り通して子供たちの自己肯定観を涵養することです。自分の地域の歴史や伝統文化を知り誇りに感じることに加え、参加し活躍の場や機会を得ることで親や先生以外の大人たちや年下の者から認められることで、自己肯定感が涵養されるのではないかと思います。また、年中行事に位置づけられる祭りに毎年積極的に参加することであこがれていた年長者や大人と自身の成長を比較・実感することが出来、季節ごとに自己の成長を確かめることに繋がると考えるからです。
【自己肯定観だけではないお祭りの効果】
国立青少年教育振興機構の調査「子供の頃の体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究」(平成30年)では、社会を生き抜く資質・能力(意欲、コミュニケーション力、自己肯定観、へこたれない力)の高い大人は、子供の頃に先生や親といった縦の関係ではなく、近所の大人や友人といった横や斜めの関係にある人たちから褒められたり認められたりした経験が多かった傾向があることが分かっています。私は、自分の住む町の人や文化との接点をつくる場や機会としてのお祭りの教育的機能は測りきれない大きな存在である可能性を感じます。
因みに国立青少年教育振興機構の調査「四季を通したふだんの生活に関する調査」(平成30年)では、約5,500人の調査対象者の子供のうち72.9%が「地域のお祭りに参加した(夏)」ということでした。あなたの住む町にも地域の伝統文化に根差したお祭りがあるはずです。まずは見る参加、そして関わる参加、創る参加へと段階的にわが子を地域に送り出してみませんか。
(お詫び)
所用により昨日の記事更新をスキップしてしまいました。
お待ちいただいていた方がおられましたら申し訳ありませんでした。
※1 三島大祭り:8月15日~17日の三日間、三嶋大社を中心に三島の街中はお祭り一色になります。手筒花火のほか、三嶋大社に残る様々な舞や流鏑馬等の伝統芸能が披露され、また、戦国時代の小田原北条時代から伝わる「シャギリ(三嶋囃子)」(冒頭のお囃子)をのせた各町の山車の引き回しが三島広小路から大鳥居前まで町中を練り歩くのも壮大で大きな魅力のお祭りです。