スーパーの食材ウォッチングが子供の論理の芽を育む
秋刀魚の旬はいつだかわかりますか?
もちろん秋ですよね。秋でも9月下旬から10月下旬、今の時季が旬真っ盛りなのです。
旬のものだからこそ、たっぷりと脂がのった秋刀魚がいただけます。
ところで最近
「スーパーに並ぶ魚の切り身がそのままの姿で海を泳いでいる」
と考えている子供もいるという冗談とも思える本当の話を聞きました。
つまりその子は、自分の体を作る食べ物の由来を理解していないということです。
どこから来たのか、どうやって加工されたのか、どうやって家に来たのか、どうやって料理になったのかイメージが繋がらないということでしょう。
これは少し可哀想です。例えば、親子の普段の会話の中や絵本を見ながらなどで
「おさかな」というキーワードに触れ
「おさかなは海に住んでいるよ」とか
「今日の夕食はシャケの切り身、秋に海から川に昇ってくるよ」とか
場合によっては図鑑やスマホで姿を見せてもらうこともできたのにその機会が無かったと想像でき可哀想に思います。
環境倫理学者の鬼頭秀一先生は
「環境問題の本質は、人間から離れて存在している自然が損なわれることではなく、人間と『生身』のかかわり合いのあった自然が、『切り身』化していく」
ことでありその関係性を全体として捉えていくことが問題解決のカギになると言っています。
ここでは環境問題を取り上げて例示していますが、スーパーの魚の切り身問題はまさに生身を切り身でしか理解できない状況です。
小さい子供は目の前の具体物からしか学ぶことが難しいと言われています。
目の前の具体物や具体現象を見聞きした量が増えるほど、物事をつなげ、イメージして抽象化できる思考も出来上がっていきます。
食事はその機会の宝庫だと思います。子供と一緒にスーパーに行けば、野菜や魚の生身の姿を見ることが可能です。
今週末は親子でスーパーに出かけて今日の食材がどこから来たのかを考えてみませんか。
例えばこんなポイントで
①この野菜はどこから来た?土の中かな土の上かな?
②海にいるお魚を見比べてみよう!みんな形が違うことが分かるかな?
③夕食の料理はどうやって作ったかな?