足下の自然から楽しもう① たけのこを食べておいしく環境保全

たけのこの季節になりました。みなさんの近所のスーパーでも茹でたたけのこが並んでいるのを見られるのではないでしょうか。漢字では、竹冠(たけかんむり)に〝旬″と書きます。字のとおり、今のこの時期にしか食べられない貴重なものなのです。

たけのこは竹の子供だっていうことは知っていますか?竹林の中にこんな風に顔を出してにょきにょきと伸びて大きな竹になります。1日に68センチも伸びたという記録もあるほどに成長が早い植物なのです。

地面から顔をだすたけのこ

この竹、残念なことに今や森、里山の厄介者扱いされています。竹は地下茎という根っこのようなものを張り巡らせ、栄養を求めて拡大していきます。ところがそのせいで、森の木を枯らし、大雨に弱い地盤を作ってしまう、畑や田んぼに入り込んで土地を荒らしてしまうなどの被害が出ているからです。これらを「竹害(ちくがい)」と呼んでいます。

なぜこんなことになってしまったのか。それは人間が竹を使わなくなったからだといわれています。かつて竹はとっても役に立つ存在で、食用としてのたけのこ、加工もしやすく、強くしなやかな性質は、籠や食器等の日用品はもとより、造園建築材や壁の芯材としても用いられていたのです。これらが輸入品やプラスチック製品に取って代わられ、竹を利用しなくなり、放置される竹林が増えたため、竹は好き放題に伸びてしまい、また、竹林の措置にある里山林の荒廃により元々の森の力が弱り、更に竹の拡大を引き起こすといったことが問題の理由と考えられています。たけのこ

ではどうすればよいのでしょうか。竹林にかかわることが一つの解決策であると考えられています。つまり、地域のたけのこを食す、竹材の日用品を見直すなど身近なところで竹にかかわることです。こうして竹の需要を増やすことで、竹林が整備されていく可能性があります。また、少し調べると皆さんの身近な場所でも竹林整備イベントとしてのたけのこ堀などが開催されているかもしれません。自分で掘ったたけのこの味はまた絶品です。楽しみながら環境保全に貢献できる季節の遊びとして、来年はぜひ親子で参加してみませんか?

子供達とそとあそびができるよう、一日も早いコロナウィルス禍の終息を願いつつ、今は外出を控えて過ごしましょう。