桜の季節 その前に親子で桜の「樹」に注目!

まもなく桜の季節がやってきます。皆さんは桜が咲くまでの桜の樹の様子を見たことはありますか?街中には私たちのすぐとなりにあるはずの自然なのに開花前の様子は以外と知らないものです。

SAKURA

ワークショップ会場になる桜花亭の桜

開花前の桜の樹のヒミツをみてみよう

今の時季は、枝先にはまだ堅そうなつぼみをつけています。それが開花に向けて少しずつ少しずつ膨らんでゆき、その一つ一つがやがて花となるのです。そんな様子を見ていると、天気予報の桜の開花予想もまた違ってみることができますよ。(気象庁の開花予想についての記事はこちら)

この桜の樹は今、何をしているのかというと、一年一度の大舞台、開花に向けてすべての力を集中しているのです。
例えば、桜の花の色は、うすピンク色のいわゆる桜色ですね。実はこの色の素、普段は樹全体に赤やピンクとして分散して存在しています。そしてこの時季、桜の花びらが桜色になるようにに樹全体から枝先のつぼみに向かって色素を集中させているのです。

桜色を使った伝統文化で遊ぼう!

この性質を使った文化があります。桜の枝を使った桜の草木染めです。桜色が優しく映える染め物で、二年前のワークショップでは、満開の桜の樹の下で新学期からお弁当包みやハンカチとして使えるように布を染めて遊んでみました。そのときの様子はこちらで紹介していますのでぜひご覧ください→こちら

SAKURA some

桜色に染めた布を天日干し

さて、桜の草木染めですが、桜の枝を細かく切って鍋で何度も煮ることで、桜色の色素のもとを取り出します。「何度も煮る」、というのがポイントで初めから桜色には出会えないのです。
始めに出てくるのは茶色やオレンジ、次に黄色や緑、最後にやっと桜色の原料となる赤やピンクか出てきます。こうして取り出した色のもとを染料といいます。これに布を浸して染め、媒染で色を固定したら出来上がりです。

残念ながら今年はこのような状況でワークショップを開催できません。が、もしも近所の公園や学校で桜の剪定作業をしていたり、春風で折れて落ちてしまった枝を見つけたら、少し頂いてきて、どんな色が隠れているのか探してみてはいかがでしょう(煮る作業等やけどの恐れがありますので、必ず保護者の皆様と一緒に行ってください)。茶色の枝からいろんな色が取り出せる不思議に出会えることと思います。