暑中お見舞いを書く4つの意味

「さぁ、これでじいじとばあばにお便りを書こう!」
とハガキを見せる私。
「あっ!暑中お見舞いのハガキだね」
と応える娘。

長女は、夏休みになったらハガキに絵や文字を書いてじいじとばあばにお便りを送ること、それを「暑中お見舞い」ということを覚えていたのです。

昨年の夏休みは夏の草花を使って書きましたが、今年は色鉛筆で好きな絵に言葉を添えてのお便り。もうひとつ違うのは、弟(3才)も一緒ということ。

暑中見舞い

この写真は今年の暑中お見舞い。二人とも花火を描いているのは去年の沼津市狩野川花火大会が今も強烈な記憶に残っているのです。そして今年はコロナの影響で中止となったことをとても残念がっています。

ところで、子供にとっての一年間の成長はとっても大きいと改めて実感しています。去年の今頃の長男は何かを描くどころか鉛筆なんて持てなかったですから。娘は英語センテンスを自分だけで作れなかったですから。
普段なかなか会えない人に、この一年間の成長をお知らせする良い機会にもなりますね。

さて、今日のテーマである幼児や低学年児童が暑中お見舞いを書くことについて考えてみます。それには、大きく4つの意味があるのだろうと思います。

1.季節性の体験
季節の恒例行事として江戸時代より前から続けられてきた風習を体験することで、四季と自然の循環に目を向けるとに繋がります。

2.言語化による愛着の形成
大切な人に対する自分の思いを言葉にして示すことは、言語化の訓練になり、また愛着を形成し自己肯定感にも繋がることが期待されます。

3.抽象的思考の手助け
幼児や低学年児童は目の前の出来事に具体的に触れる体験を通して少しずつ抽象的な思考を身に付けていきます。絵を書き、目の前にいない人に宛てた文字を書くことで抽象的な思考をする訓練に繋がります。

4.巧緻性の訓練
様々な色を使ったお絵描き、文字を配置する場所を考える行為など手先を実際に使うことで巧緻性の訓練に繋がります。

ちょっと考えただけで4つの意味が考えられます。しかしポイントはお勉強や訓練としてではなく、遊びとして楽しみながら行うことです。日常の遊びのなかにこそ大きな学びの機会があります。

七夕過ぎから立秋前までに出す手紙を暑中お見舞いといい、それ以降は残暑お見舞いとなります。
今年の夏休みは、平年より短くなることと思います。そんな慌ただしい中でも季節の行事と自然を大切に体験させてあげたいですね。

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